SNS運用代行に頼む前に、店主が30分でやるべきこと

SNS運用代行に頼む前に、店主が30分でやるべきこと

「自分でSNSをやる時間がないので、運用代行を頼もうと思っているんです」——そう仰る店主さんは年々増えています。私たちRockHillの立場としては、運用代行そのものを否定するつもりはありません。ただ、丸投げの代行は9割うまくいかないということは、現場でずっと見てきました。それは代行会社が悪いのでも、店主さんが悪いのでもありません。順序が逆になっているだけです。代行に頼む前に、店主さん自身が30分でやるべきことがあります。

「代行に頼んだのに、伸びなかった」という話

ある中華料理店の店主さんが、こう話してくださいました。「月5万円で運用代行に頼みました。投稿頻度は週4本に増え、写真も整いました。でも、半年経っても新規来店は増えていない。代行さんは熱心にやってくれているのに、何かが噛み合っていない気がします」。

その代行会社さんの投稿を拝見しました。技術的には、よくできていました。写真もきれいで、ハッシュタグ設計も丁寧。でも、店主さん自身が画面から見えない。誰の店なのか、誰が料理しているのか、何を大切にしているのか——投稿だけ見ると分からない。

これは代行会社の責任ではありません。店主さんが「自分の店のことを言語化して渡せていない」から、代行会社は一般的なテンプレで運用するしかないのです。

なぜ「丸投げ代行」は伸びないのか

3つの構造があります。

1つ目は、飲食店のSNSは「人」を出さないと伸びないこと。料理写真だけのアカウントは、どの店も似てきます。差をつくるのは「誰がやっているか」「どんな思いか」という人格情報ですが、これは店主さんしか語れません。

2つ目は、代行会社は「現場の温度」を持っていないこと。月1回のミーティングと、共有された資料だけでは、現場のリアルな空気は伝わりません。だから、投稿は表面的に整ったテンプレ寄りになります。

3つ目は、店主さんの「期待値」と代行の「成果定義」が噛み合わないこと。店主さんは「新規来店が増える」を期待し、代行はインプレッション数を成果として報告する。お互い真面目にやっているのに、満足が一致しない。

つまり、代行を頼む前に、店主さん自身が言語化を済ませることが、成否を分けます。

仮想の店主A・B——代行に渡す情報の差

A店主さん(韓国料理・開業6年)は、代行依頼時に「うちは韓国料理で、若い女性に人気です。よろしくお願いします」と伝えました。代行はテンプレに従い、トレンド料理写真と一般的なハッシュタグで運用。投稿は伸びるが、来店には繋がらない。

B店主さん(同じく韓国料理・開業5年)は、代行依頼前に30分のセルフ棚卸しをしました。①なぜこの店をやっているか(韓国の祖母の味を残したい)、②代表料理3品とその背景、③来てほしい人(韓国を旅した経験のある人)、④やってほしくない発信(流行り言葉・派手な絵文字)、⑤店主自身がよく使う言葉。これをA4一枚にまとめて代行に渡しました。

代行は、その情報を元に「祖母の味を残す店主の物語」をテーマに運用。投稿数は少ないが、フォロワーの質が変わり、半年で新規来店が月8組→23組に増えました。

代行の腕の差ではなく、店主さんが渡した情報の差です。

代行に頼む前に、店主が30分でやるべき7項目

A4一枚に書き出してください。30分でできます。

  • 店をやっている理由:なぜこの場所で、この料理で、この時間をかけているのか
  • 代表料理3品とその背景:素材、調理、思い入れ
  • 来てほしいお客さん像:具体的な一人(実在の常連さんでもOK)
  • 来てほしくないお客さん像:これを書くと、店の輪郭が明確になる
  • 店主の口癖・よく使う言葉:投稿の文体がブレないため
  • やってほしくないこと:絵文字の使い方、流行り言葉、過剰な敬語など
  • 数値目標ではなく、状態目標:「フォロワー1万人」ではなく「ひとり時間の隠れ家として知られる」など

このA4一枚があるかないかで、代行のアウトプットは別物になります。

RockHillの考え方——代行は「翻訳者」、店主は「原作者」

私たちRockHillは、SNS代行を「翻訳者」、店主さんを「原作者」だと考えています。原作のない翻訳は、ただの一般文書になります。翻訳者がどれだけ優秀でも、原作の質を超えることはできません。

蛭田は、運用代行を検討中の店主さんに、「あなたの店をひと言で言うと、何ですか」と聞きます。即答できない方が大半です。それは恥ずべきことではなく、現場が忙しすぎて言語化の時間を取れていないだけ。でも、その状態で代行に頼んでも、お金と時間が消えるだけです。

代行を否定はしません。むしろ、ちゃんと棚卸しした店主さんは、代行を使うことで時間を稼げます。順序を間違えないこと。それだけです。


もし「うちもそうかもしれない」と感じたら、一度コーチと話してみませんか。助言も提案もしません。ただ30分、現場の話を聞かせてください。あなたのお店の言語化を、私たちが伴走させていただきます。

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現場の課題を整理したいときは、次の導線も活用してください。記事を読んで終わりにせず、自店の現在地を測り、必要な一手に落とし込むための入り口です。


著者: 蛭田一史(株式会社RockHill 代表取締役)|飲食店支援600店舗以上(累計)|設立2009年

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この記事を書いた人

ロックヒル

株式会社ロックヒル

株式会社ロックヒルは、飲食企業の集客・広報・マーケティングを「内製化できる仕組み」として構築する支援会社です。SNS運用・MEO・導線設計・スタッフ育成まで、現場と経営をつなぐ伴走型サポートが強みとしてます。代表の蛭田はSHOGUN BURGER CMOなどの経験を持ち、飲食店の成長支援実績が豊富です。