飲食店の集客はリピーターが鍵|「2回目の壁」を越えるための実務的アプローチ

飲食店の集客というと、新規顧客の獲得に目が向きがちです。しかし、ホットペッパーグルメ外食総研の調査によると、外食利用の77.3%はリピート利用で、初回利用はわずか22.7%にとどまります(出典:ホットペッパーグルメ外食総研)。

つまり飲食店の売上の大半は、すでに来店したことのあるお客様によって支えられています。新規集客ももちろん重要ですが、リピーターをいかに増やし、維持するかが、安定した経営の土台になるのです。

本記事では、リピーター集客に関する調査データをもとに、飲食店が実務で取り組むべきポイントを整理します。

 

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飲食店のリピーターに関するデータを押さえる

リピーター施策を考える前に、まず現状を数字で把握しておきましょう。

「2回目の壁」が最大のハードル

飲食店ドットコムが経営者108名に実施したアンケートによると、初来店客の再来店率の平均は38.0%です。つまり、初めて来たお客様の約6割は2回目の来店に至りません(出典:飲食店ドットコムジャーナル)。

しかし、一度「2回目の壁」を越えると状況は大きく変わります。

  • 初回来店 → 2回目来店:約30〜40%
  • 2回目 → 3回目来店:約80%
  • 3回目 → 4回目以降:約90%

つまり、いかに2回目の来店を実現するかが、リピーター施策の最大のテーマです。3回来てもらえれば、そのお客様は高い確率で常連になります。

新規集客にはリピーター維持の5倍のコストがかかる

マーケティングの世界で「1:5の法則」と呼ばれる原則があります。新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるというものです(出典:FOOD-IN)。

さらに「5:25の法則」では、顧客離れを5%改善するだけで、利益率が25%改善されるとされています。

複数店舗を展開する飲食企業にとって、新規集客のための広告費を増やし続けるよりも、一度来店したお客様に再び来てもらう仕組みをつくるほうが、コスト効率が圧倒的に高いのです。

業態によってリピート率は大きく異なる

ホットペッパーグルメ外食総研の調査では、業態別のリピート利用率に大きな差が見られます。

業態リピート利用率
ファストフード95.5%
牛丼・カレーなど一品もの専売93.7〜95.1%
ファミリーレストラン・回転すし90.8%
フレンチ・イタリアン48.3%
アジアン料理32.0%

(出典:飲食店ドットコムジャーナル

日常的に利用する業態ほどリピート率が高く、特別な日に使う業態ほど低い傾向があります。自店の業態の特性を踏まえたうえで、リピーター施策を設計することが重要です。

リピーターが来なくなる理由とは。最大の原因は「なんとなく忘れていた」

リピーター施策を考えるうえで、「なぜ来なくなるのか」を正しく理解することが欠かせません。

1,845人に聞いた「リピートしない理由」

YsLink社が1,845人を対象に実施したアンケートの結果は、多くの飲食店経営者にとって意外なものです(出典:YsLink)。

順位理由比率
1位なんとなく(忘れていた)21.8%
2位利便性(立地の問題)15.8%
3位メニュー・料理への不満9.8%
4位スタッフへの不満9.8%
5位価格への不満9.1%

最も多い理由は「なんとなく忘れていた」です。料理やサービスに不満があったわけではなく、思い出すきっかけがなかっただけ。逆に言えば、適切なタイミングで「思い出してもらう仕組み」をつくれば、このお客様の多くは再来店につながる可能性があります。

経営者と顧客の「認識ギャップ」にも注意

花王プロフェッショナルの調査(お客様324名・経営者200名対象)では、興味深い認識ギャップが明らかになっています。お客様がリピートしない理由の第4位に「清潔さ・清掃状況」が34.9%で入っている一方、経営者がその理由を挙げたのはわずか6.5%。28.4ポイントものギャップがあります(出典:花王プロフェッショナル)。

さらに経営者の22.0%が「リピートしない理由は特にない」と回答していますが、お客様側でそう答えたのはわずか3.7%。お客様が感じている課題を、経営者が正しく把握できていないケースは少なくありません。

リピーターを増やすために飲食店が取り組むべき5つの施策

① 来店後の「思い出してもらう仕組み」をつくる

リピートしない理由の1位が「忘れていた」である以上、来店後に思い出してもらう接点をつくることが最も効果的な施策です。

北海道北見市の焼肉店「たんじろう」では、LINEミニアプリを導入し、来店翌日11時にアンケートとクーポンを自動配信する仕組みを構築。導入約2年で友だち数は10,000人を突破し、リピーター率は19.4%から40%超に向上しました(出典:LINEヤフー for Business)。

ポイントは「来店直後のタイミング」で接点をつくること。体験の記憶が新鮮なうちに次回来店の動機をつくることで、「2回目の壁」を越えやすくなります。

② 「3回来店」を目標に段階的な仕掛けを設計する

2回目→3回目の再来店率は約80%、3回目以降は約90%です。この構造を活かし、最初の3回の来店に焦点を当てた段階的な施策を設計しましょう。

  • 初回来店時:LINE登録を促し、次回使えるクーポンを付与
  • 2回目来店時:限定メニューや新メニューの情報を提供し、「次も来たい」動機をつくる
  • 3回目来店時:ポイントカードやランク制度を案内し、長期的な関係構築へ移行

最初から年間プログラムを提示するのではなく、「まず3回」に集中する設計が効果的です。

③ お客様の声を定期的に把握する仕組みをつくる

経営者と顧客の間の認識ギャップは、放置すると静かに離反を招きます。アンケートや口コミの分析を通じて、お客様が本当に感じていることを定期的に把握する仕組みが必要です。

  • 来店後アンケート(LINE経由で回収率を高める)
  • Googleレビューの内容を月1回分析し、傾向を把握する
  • 「清潔感」「待ち時間」「接客」など、お客様が重視するポイントを定量的にモニタリングする

同調査でリピート時に重視するポイントは「料理がおいしい」69.6%、「コストパフォーマンスがよい」48.6%、「席がゆったりしている」40.4%の順です(出典:飲食店ドットコムジャーナル)。

④ 顧客データを活用してコミュニケーションを最適化する

複数店舗を展開する飲食企業では、顧客データの活用がリピーター施策の精度を大きく左右します。

宅配寿司「銀のさら」では、LINE CRMを活用し、居住地・誕生日に基づくセグメント配信を実施。焼肉店「焼肉やまと」では、CRM連携によって常にリピーターがお客様の7割を占める状態を維持しています(出典:F-Media)。

  • 来店頻度に応じた配信内容の変更(月1回の方と週1回の方では伝えるべき情報が異なる)
  • 誕生日・記念日のタイミングでの特別な案内
  • 離脱しかけている顧客(前回来店から一定期間経過)への再来店促進メッセージ

すべてのお客様に同じメッセージを送るのではなく、お客様の状況に合わせたコミュニケーションが再来店率を高めます。

⑤ LTV(顧客生涯価値)の視点で施策の優先順位をつける

リピーター施策は多岐にわたるため、すべてを同時に実施するのは現実的ではありません。LTV(顧客生涯価値)の視点で、どの施策が最もインパクトが大きいかを判断しましょう。

LTVは以下の式で計算できます。

LTV = 平均客単価 × 来店頻度 × 継続期間

たとえば客単価3,000円のお客様が月2回、5年間通った場合のLTVは360,000円です。このお客様の来店頻度を月2回から月3回に増やすだけで、LTVは540,000円に跳ね上がります。

LTVを構成する3つの要素のうち、どこに最も改善余地があるかを見極め、施策の優先順位を決めることが重要です。

  • 客単価を上げる:サイドメニュー・ドリンクの追加注文を促す導線設計
  • 来店頻度を上げる:限定メニュー・イベント情報の定期配信
  • 継続期間を延ばす:ロイヤルティプログラム、会員ランク制度の導入

リピーター施策でよくある疑問

Q1. リピーター施策はどこから始めるべきですか?

まずは「来店後に思い出してもらう仕組み」からです。LINE公式アカウントの開設とクーポン配信は、コストを抑えて始められる第一歩です。リピートしない理由の1位が「忘れていた」である以上、この課題を解決するだけで大きな効果が期待できます。

Q2. ポイントカードは紙とデジタルどちらがよいですか?

デジタル(LINEミニアプリなど)への移行を推奨します。紙のカードは忘れや紛失のリスクがあり、65.3%のユーザーがポイントを意識的に貯めていると回答していることからも、常にスマートフォンで確認できるデジタル化のメリットは大きいです(出典:おなじみ)。

Q3. 複数店舗ある場合、リピーター施策は本部主導で行うべきですか?

会員制度やLINE配信のルールは本部で統一し、各店舗でのお声がけやスタッフの対応は現場に任せるのが理想的です。飲食店経営者108名のアンケートでは、リピーター施策で「最も効果的」と回答されたのは「お客様への声かけ」が41.7%でトップでした(出典:飲食店ドットコムジャーナル)。仕組みは本部、実行は現場の両輪で進めることが大切です。

ロックヒルの支援でできること

ロックヒルでは、飲食企業のリピーター集客を「仕組みとして定着させる」支援を行っています。

  • 顧客接点の設計:来店後のLINE配信やクーポン施策の仕組みづくりをサポートします
  • データ活用の体制構築:顧客データの収集・分析・活用のフローを整備し、施策の精度を高めます
  • SNS運用との連携:Instagramでの情報発信がリピーター育成にもつながるよう、投稿設計をアドバイスします
  • 現場で回せる仕組みづくり:本部と店舗の役割分担を整理し、継続的に運用できる体制を構築します

600店舗以上の飲食企業への支援実績をもとに、「自社で運用できる仕組み」として定着させることを大切にしています。

リピーター集客は日々の積み重ねが重要

飲食店の売上の約8割はリピーターが支えています。そして、リピーターが来なくなる最大の理由は忘れてい。つまり、お店側からの働きかけ次第で改善できる課題です。

大がかりなシステム導入や大量の広告費は必要ありません。来店後に思い出してもらう仕組み、2回目の来店を促す設計、お客様の声を把握する習慣。この3つを整えるだけで、リピーター率は着実に改善していきます。

飲食店の集客・広報でお困りの方へ

ロックヒルは、飲食企業の集客・広報・マーケティングを「自社で回せる仕組み」として構築する支援を行っています。リピーター施策の設計から運用まで、まずはお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人

ロックヒル

株式会社ロックヒル

株式会社ロックヒルは、飲食企業の集客・広報・マーケティングを「内製化できる仕組み」として構築する支援会社です。SNS運用・MEO・導線設計・スタッフ育成まで、現場と経営をつなぐ伴走型サポートが強みとしてます。代表の蛭田はSHOGUN BURGER CMOなどの経験を持ち、飲食店の成長支援実績が豊富です。